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テレビディレクターの年収は?種類・年齢別の平均や仕事内容を解説

「テレビ番組って、どうやってできているんだろう?」
そんな疑問に答えてくれるのが“テレビディレクター”という仕事です。番組の企画を考えたり、撮影現場で指示を出したり、編集で仕上げたり…まさに番組づくりの中心人物。この記事では、テレビディレクターの仕事内容から気になる年収、さらに年齢ごとの平均までをわかりやすく解説していきます!
テレビディレクターとは?
テレビディレクターとは、テレビ番組を作るうえで“指揮者”のような役割をする人のことです。番組の企画を考えたり、撮影現場で「このシーンはこう撮ろう!」とスタッフや出演者に指示を出したり、収録した映像をどう編集するかを決めたりします。いわば、番組全体の流れをデザインする存在です。たとえばバラエティ番組なら面白さをどう引き出すかを工夫し、ニュース番組なら正確でわかりやすく伝える方法を考えます。テレビディレクターがいるからこそ、私たちは毎日さまざまな番組を楽しむことができるのです。
テレビディレクターの4つの種類
テレビディレクターと一口にいっても、働く場所や形によっていくつかの種類があります。代表的なのは「キー局」「地方局」「番組制作会社」「フリー」の4タイプです。
まずキー局テレビディレクターは、東京にある大手テレビ局で活躍する人たち。全国放送の番組に関わることが多く、影響力の大きい番組を手がけられるのが魅力です。その分、競争も激しく、仕事量も多めです。
地方局テレビディレクターは、地域のテレビ局で働く人たち。地元のニュースや情報番組、地域密着の企画を担当することが多く、幅広い仕事を一人でこなす場面もあります。地元に密着した番組作りができるのが特徴です。
番組制作会社のテレビディレクターは、テレビ局から依頼を受けて番組を作ります。バラエティ、ドラマ、ドキュメンタリーなどジャンルは幅広く、制作の最前線で経験を積みやすい環境です。
そしてフリーテレビディレクターは、どこかの会社に所属せず、案件ごとに番組を担当します。自分の得意分野を活かして自由に働けますが、仕事を自分で獲得する力も必要です。
それぞれ働き方や番組のスタイルが違うので、自分に合った環境を見つけることが大切ですね。

【種類別】テレビディレクターの平均年収
種類 | 平均年収の目安 | 代表的な企業(例) |
キー局テレビディレクター | 約1,200万〜1,500万円 | 日本テレビ、TBSテレビ、テレビ朝日、テレビ東京、フジテレビ |
地方局テレビディレクター | 約900万円 | 北海道テレビ、広島ホームテレビ、静岡朝日テレビ、テレビ信州 |
番組制作会社テレビディレクター | 約550万〜700万円 | 東北新社、テレビマンユニオン、共同テレビジョン |
フリーテレビディレクター | 約400万円(変動あり) | 所属なし(案件ごとに独立して活動) |
テレビディレクターといっても、働く場所によってお給料の水準には大きな違いがあります。ここでは代表的な4つのタイプについてご紹介します。
まずキー局テレビディレクターです。日本テレビやTBSなど、全国放送を行う大手テレビ局で活躍するディレクターは、影響力の大きい番組を担当することが多く、平均年収は約1,200万〜1,500万円とかなり高めです。その分、競争や仕事量も多く、やりがいと大変さの両方を持つ環境といえます。
続いて地方局テレビディレクター。北海道や広島など、地域に根ざしたテレビ局で働くケースで、平均年収はおよそ900万円。地元ニュースや地域情報番組を担当することが多く、地域と近い距離で番組制作ができるのが魅力です。
番組制作会社のディレクターは、テレビ局から依頼を受けて番組を制作します。東北新社やテレビマンユニオンなどが有名で、平均年収は550万〜700万円程度。さまざまな番組ジャンルに関わるチャンスが多く、経験を積みやすい環境です。
最後にフリーテレビディレクター。こちらは特定の会社に所属せず、案件ごとに仕事を受けるスタイルです。平均年収は約400万円ほどとされていますが、仕事量によって増えたり減ったりするのが特徴です。自分の専門性や人脈を活かして自由に働ける一方、安定性という点では注意も必要です。
【年齢別】テレビディレクターの平均年収
年齢層 | 平均年収(万円) |
20~24歳 | 約329万円 |
25~29歳 | 約407万円 |
30~34歳 | 約502万円 |
35~39歳 | 約606万円 |
40~44歳 | 約696万円 |
45~49歳 | 約797万円 |
50~54歳 | 約783万円 |
55~59歳 | 約757万円 |
60~64歳 | 約604万円 |
65歳以上 | 約309万円 |
テレビディレクターの年収は、働く年齢と経験によって大きく変わります。グラフに表すと、だんだん上がって、50代前後でピークを迎え、その後は徐々に下がっていく傾向があります。
- 20代前半(20~24歳)ではまだ経験を積んでいる段階で、平均は約329万円とスタートラインです。
- 20代後半~30代前半(25~34歳)になると、現場でのスキルが身についてきて、平均が500万円前後までアップします。
- 40~49歳ごろが最も年収が高く、ひとり立ちして責任ある仕事を任される時期なので、600~800万円ほどが平均になります。
- 50代後半~60代になるとだんだんゆったりとした働き方になったり、役割が変わったりして平均は600万円前後に。
- 65歳以上はリタイアや現場を離れる人が増えるため、平均はグッと下がって約309万円になります。
同じ「テレビディレクター」という仕事でも、年齢や経験によって働き方や収入に差が出るのがよくわかりますね。みなさんがどんな働き方を目指すのかを考えると、将来の見通しを立てやすくなると思います!
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テレビディレクターのボーナス・昇給について
テレビディレクターのお給料は、基本給のほかにボーナスや昇給で変動することがあります。
ボーナスは、企業や局によって差がありますが、キー局のディレクターであれば年に2回、数か月分の給与が支給されることもあります。制作会社や地方局では、ボーナスの金額が少なめだったり、年1回だけという場合もあります。ボーナスは、日々の成果や番組の評価、会社の業績などによって左右されることが多いです。
昇給については、経験やスキルの向上、担当する番組の規模や成功度によって決まります。若手ディレクターはまだ年収が低めでも、経験を積むにつれて昇給し、30代〜40代で大きく伸びることが一般的です。フリーランスの場合は会社に属さないため昇給制度はなく、実績や案件数で収入が増える仕組みになります。
つまり、テレビディレクターの収入は「基本給+ボーナス+昇給」が組み合わさって決まります。どのタイプで働くか、どんな番組に関わるかによって差がありますが、経験を積むほど安定した収入や高収入を目指せるのが、この仕事の特徴です。努力や経験が収入に直結する仕事ともいえます。

テレビディレクターの主な仕事内容
テレビディレクターは、番組を作る上で“まとめ役”として活躍する仕事です。この章では、そんなテレビディレクターの主な仕事内容を具体的にご紹介していきます。
コンセプトや企画の立案
テレビディレクターの仕事は、まず番組のコンセプトや企画を考えることから始まります。コンセプトとは、「どんな番組にするか」の大まかなイメージのことです。例えばバラエティなら笑いを重視するのか、情報番組ならわかりやすさを重視するのかを決めます。その上で、どんなコーナーを作るか、誰に出演してもらうか、どんな演出で見せるかなど、具体的な企画を練ります。視聴者が「見たい!」と思う番組を作るためには、ここでのアイデアや工夫がとても大切です。面白い企画ほど準備に時間がかかることもありますが、それだけやりがいを感じられる部分でもあります。
番組構成や演出の監修
テレビディレクターは、番組の構成や演出を監修する役割も担います。番組構成とは、企画をどの順番で進めるかや、どの場面をどのくらいの時間で見せるかを決めることです。演出は、映像や音楽、カメラワークなどを工夫して、視聴者に「面白い」「わかりやすい」と感じてもらえるようにすることを指します。現場ではカメラマンや照明スタッフ、出演者と協力しながら指示を出し、番組の完成形をイメージして調整します。ディレクターの腕次第で、同じ企画でも全く違った印象の番組に仕上がるのが、この仕事の面白いところです。
撮影現場での指揮
テレビディレクターの大事な仕事のひとつが、撮影現場での指揮です。カメラマンや照明スタッフ、音声担当、出演者など、たくさんの人が関わる現場で、ディレクターは全体をまとめながら指示を出します。「ここはもう少し明るく」「この角度で撮ってほしい」など、細かい調整もディレクターの役割です。また、撮影の順番やタイミングを管理して、効率よく収録を進めることも求められます。ディレクターの判断次第で、同じシーンでも見え方や印象が大きく変わるため、集中力と決断力が必要とされる仕事です。
収録映像の編集
テレビディレクターは、収録した映像を編集して番組を完成させる役割も担います。撮影した素材は、そのままだと長すぎたり、順番がバラバラだったりするので、見やすく面白くするために編集作業が必要です。映像の順番を整えたり、ナレーションや音楽、効果音を入れたりして、視聴者がわかりやすく楽しめる番組に仕上げます。ここでの工夫やこだわりが、番組全体の印象を大きく左右するため、ディレクターのセンスや経験がとても重要です。編集は地味に見える作業ですが、番組の“最後の仕上げ”として、やりがいを感じられる部分でもあります。
テレビディレクターとして働くやりがい
テレビディレクターの仕事は大変なことも多いですが、その分大きなやりがいがあります。自分が考えた企画や演出が形になり、実際にテレビで放送される瞬間は、言葉では言い表せない達成感があります。また、出演者やスタッフと協力して番組を作る過程で、チームワークやコミュニケーション能力も自然に身につきます。視聴者から「面白かった」「感動した」と反応をもらえると、努力がしっかり結果につながる仕事だと実感できます。さらに、自分のアイデアやセンスを活かして番組を作れる自由度も高く、クリエイティブな面白さを日々感じられるのがテレビディレクターの魅力です。

テレビディレクターに向いている人の特徴
テレビディレクターは、番組づくりの中心でさまざまな判断をする仕事です。そのため、向き不向きがはっきり出やすい職業でもあります。「どんな人がテレビディレクターに向いているのか」を知っておくと、自分の適性を考えるときの参考になります。この章では、ディレクターとして活躍しやすい人の特徴を具体的にご紹介します。
トレンドに敏感で新たなコンテンツを創造できる人
テレビディレクターは、視聴者が「見たい!」と思う番組を作ることが大切です。そのためには、流行や社会の動き、視聴者の関心をいち早くキャッチするトレンドへの感度が求められます。さらに、ただ流行を追うだけでなく、それを番組にどう取り入れて新しいコンテンツとして形にできるかが重要です。アイデアを出す力や創造力が高い人は、視聴者の心に残る番組を作りやすく、ディレクターとしてのやりがいも大きくなります。
チームをまとめるリーダーシップがある人
テレビディレクターは、カメラマンや音声スタッフ、出演者など多くの人と一緒に番組を作ります。そのため、チームをまとめるリーダーシップが欠かせません。現場では「次は誰が何をするか」を指示したり、意見がぶつかったときに調整したりする場面が多くあります。指示を出すだけでなく、メンバーの意見を聞き、やる気を引き出す力も必要です。チーム全員が気持ちよく仕事できる環境を作れる人は、スムーズに番組を完成させることができます。
臨機応変に対応できる柔軟性がある人
撮影現場では、予定通りに進まないことが多くあります。出演者の都合や天候、機材トラブルなど、予想外の出来事が次々と起こるのが現実です。そんなとき、落ち着いて柔軟に対応できる人は、現場をスムーズに回せます。プランを変更したり、短時間で新しいアイデアを取り入れたりする能力は、ディレクターにとって非常に重要です。臨機応変さがある人は、トラブルをチャンスに変えて、より面白い番組を作れる可能性も高まります。
マネジメント能力が高い人
テレビディレクターは、番組制作に関わる人や予算、スケジュールを管理するマネジメント能力も求められます。誰がどの作業を担当し、どのタイミングで進めるかを考えながら全体を動かす力が必要です。また、予算や時間の制約の中で効率よく番組を完成させるためには、計画性や判断力も大切です。マネジメント能力が高い人は、現場をまとめながらクオリティの高い番組を作ることができ、ディレクターとしての信頼も得やすくなります。
テレビディレクターになるには
「将来、テレビの世界で働きたい!」と思ったとき、どんな道を歩めばディレクターになれるのかを知っておくと、自分の目標を立てやすくなります。この章では、テレビディレクターになるための方法や必要なスキル、実際のキャリアの流れについてご紹介します。
メディア関連の学部が設置されている大学で学ぶ
テレビディレクターを目指す方法のひとつに、メディアや映像に関する学部・学科で学ぶという道があります。たとえば「映像メディア学部」「放送・マスコミ学科」「メディア制作学科」などがあり、映像編集、撮影技術、音響や演出、番組企画などのカリキュラムを学べます。授業では実際に短編番組を制作したり、インターンシップでテレビ局や制作会社の現場に参加したりする機会もあります。こうした学びを通じて、企画力や編集スキル、チームで仕事を進める経験を積むことができ、将来ディレクターとして活躍するための土台を作れます。
AD(アシスタントディレクター)として実務経験を積みながら学ぶ
テレビディレクターを目指すもうひとつの方法は、AD(アシスタントディレクター)として現場で経験を積むことです。ADはディレクターの補佐役として、撮影準備や機材の管理、出演者やスタッフのサポートなど幅広い業務に関わります。現場での仕事を通じて、番組制作の流れやカメラワーク、演出の基本などを実践的に学べるのが大きな魅力です。また、先輩ディレクターの指示やアドバイスを受けながら、自分の企画力や判断力も少しずつ育てられます。現場経験を重ねることで、テレビディレクターへのキャリアアップも現実的になります。
専門学校で実践的に学ぶ
テレビディレクターを目指す方法として、専門学校で実践的に学ぶという選択肢もあります。専門学校では、企画・撮影・編集・演出など、番組制作に必要なスキルを現場に近い形で学ぶことができます。授業の中で短編番組やニュース番組を実際に制作したり、インターンシップでテレビ局や制作会社の現場に参加したりする機会も豊富です。また、プロとして活躍している講師から直接指導を受けられるため、実務に直結する知識や技術を効率よく身につけられます。こうした経験を積むことで、就職後すぐに現場で活躍できる力をつけられるのが専門学校で学ぶ大きなメリットです。

テレビディレクターを目指すなら、国際映像メディア専門学校
テレビディレクターを目指すなら、実践的に学べる環境が整った国際映像メディア専門学校もひとつの選択肢です。企画・撮影・編集・演出まで、現場に近い授業で幅広くスキルを身につけられます。さらに、インターンシップや業界連携の機会も豊富で、在学中から実際の現場を経験できるのも魅力です。プロの講師から直接指導を受けられるため、卒業後すぐに現場で活躍できる力を効率よく身につけられます。テレビ業界で自分のアイデアを形にしたい人にぴったりの学びの場です。
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この記事は、i-MEDIA事務局が記事の監修をしています。